うつを知る

各障害について

障害の種類

「障害者基本法」「発達障害者支援法」以外、手元のどの文献を見ても「障害」の定義がないため、ここでは僕が私見で述べていきたいと思います。 明らかな誤りがありましたら、ご連絡ください。

障害とは

  • 遺伝子の異常、脳の器質的な異常など先天性の異常による知的能力、行動・情緒制御能力、運動能力の障害
  • 神経伝達物質やホルモンの異常による身体的、精神的な障害
  • 事故や天災により脳の一部や神経に異常をきたし、体の一部が機能しない、あるいは失うことによる障害

を指します。 ややこしいので、大まかに分けると、知的障害・発達障害・精神障害・身体障害となります。 インフルエンザや癌などは病気であり障害ではありませんが、それが原因で二次的に障害を被ることはあります。

障害者は程度の差こそあれ、その障害のために日常生活を送ることに苦痛や困難を伴います。 重度になると、基本的生活習慣もこなせず、介助を必要とし、最重度となると、自分の力のみでは生きていくことが困難であり、医療器具を必要とすることもあります。

外見で障害者と判別できる障害は、決して多くはありません。 身体障害も、肢体不自由などであればわかりますが、心臓疾患などはすぐにはわかりません。 知的障害、発達障害、精神障害は、本人から申し出ない限り、気付かれないこともあります。

そのため、障害者の多くは偏見・差別を受けやすく、自尊心を傷つけられています。 例えば、電車の中で車掌の真似を大声でしていたり、体をくねくねさせたりしている人を煩わしいと思ったことはないでしょうか。 知的障害者や発達障害者は見た目にもわかりづらいこともあり、理解者も少ないため、怪訝な・懐疑的な視線を浴びせられることがあります。 電車に乗れるだけでも頑張っているのです。 理解することは難しくても、その努力をすることはしてほしいと思います

精神障害者は、その症状から体調や気分のむらが激しく、突如体調を崩すことがあり、困惑されることがあります。 特に勤務する上ではそれが原因で業務に支障をきたしやすいため、合理的配慮をしてもらえないまま退職を迫られたり、就職活動に支障をきたすことがあります

障害児を抱えた保護者の気持ちは測り知れず、特にごく軽度の知的障害児や発達障害児の場合は保護者も気づかないことが多く、虐待の原因の一つともなっています。 周囲が寄り添う努力が求められています。

自分が障害者であるということを証明するものが、障害者手帳です。 精神障害者のための手帳は、精神障害者保健福祉手帳と呼び、1~3級の等級に分かれています。 詳しくは、うつと共存するコンテンツ内の様々な福祉サービスについてをご参照ください。

うつ病躁うつ病気分障害社会不安障害心的外傷後ストレス障害(PTSD)不安障害と言われ、精神障害の一つです。 このサイトでは、気分障害と不安障害に絞って紹介していこうと思います。

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うつ病について

うつ病とは

学術的なことはうつ病関連用語集を見て頂きたいと思いますが、ここでは手元にあった「メンタルヘルスBOOK こころが疲れていませんか ~うつ病を知ろう~」というハンドブックに従って、簡単にうつ病について説明したいと思います。 「」で囲まれている部分はこのハンドブックからの引用です。

「仕事や家庭、人間関係において社会がますます複雑化している現代では、誰もが多くのストレスを抱えています。 落ち込んだり、傷ついたり、不安になったり、悲しんだり、むなしい気分になるのは誰にでもあることです。 大抵の場合、時間の経過とともに「また元気に頑張ろう」と思えるようになり、毎日の生活が続いていきます。 ところが、時にいつまでも気分が沈んだままで回復できず、様々な体の不調までもたらし、日常生活に支障をきたしてしまうことがあります。 このような、心が疲れきってしまった状態がうつ病なのです。」

簡単に言えば、普段は学校や職場でガソリン(エネルギー)を使いながらも、毎晩、あるいは週末に休むことでガソリン補給し、毎日を元気に過ごせていますが、何らかの理由でガソリン補給が困難になるといううつ病になり、わずかなエネルギーで大きな車を動かそうとする状態になってしまう、それがうつ状態です。

うつ病は決して特別な病気ではなく、心の風邪とも言われるように、誰にでも突然なってしまう、ありふれた病気です現代では女性の7人に1人、男性の10人に1人がうつ病だと言われています。 男性は仕事(過労)で、女性は人間関係でうつ病になることが多いようです。

「心も体と同じように病気になってしまうのです。 ただ、体の病気とは異なり、うつ病は判別する物差しがなく、「怠けているだけなのでは」「気持ちが弱いのでは」などと誤った認識で捉えられがちです。」 「うつ病の治療には、周囲の人たちの理解やサポートが何よりも大切」です。

うつ病の症状

うつ病の症状としては、大きく分けて心の症状と体の症状の二つに分かれます

まずは心の症状を、ハンドブックを基に以下に紹介します。

  • 気分が沈む
  • 【憂うつだ】【寂しい】【悲しい】【何の希望もない】と悩むようになります。 笑顔が消え、深く落ち込み、時には強い不安感を持ちます。 朝方が最もひどく、夕方になると幾分良くなる(日内変動)のも特徴です。」

  • 興味関心の低下
  • 物事に対して興味や関心が薄れ、やる気がなくなってしまいます。 仕事への意欲が低下したり、興味を持っていたことにこれまでと同じように打ち込めなくなります。」

  • 思考力・判断力の低下
  • 思考力、判断力、決断力が低下します。仕事や生活上のことでなかなか決断ができなかったり、テレビを見ていても話の筋を追うことができず理解ができなくなります。」

  • 過剰な罪悪感
  • 過去の出来事にいつまでもくよくよしたり、はっきりした理由もなく「自分はだめな人間だ」「能力がない」「申し訳ない」と過剰な罪悪感を抱きます。」

  • 希死念慮
  • うつ病の最悪の結果は自殺です。 気持ちが沈み込んで辛くてたまらないために、「死」にまで思いが及んでしまうのです。」

次に、体の症状を紹介します。

  • 睡眠障害
  • うつ病でよく見られるのが「睡眠障害」です寝つきが悪い(入眠障害)場合もあれば、深夜(中途覚醒)あるいは早朝(早朝覚醒)に目が覚めてしまい、そのまま眠りにつけない場合もあります。」 夢をたくさん見るようになり、熟睡できない、つまり眠りが浅くなる熟睡障害や、どんなに眠っても気分がすっきりしないという過眠が見られることもあります

  • 食欲低下・増進
  • 食欲がなくなり、何を食べてもおいしいと思えず、「砂をかんでいる」様に感じることさえあります。 このため急激に体重が減少します。 また、逆に食欲が増進し、体重が増えることもあります。」

  • 体のだるさ
  • 殆ど体を動かしていないのにひどく疲れたり、体が重く感じられます。 服を着るといった日常の何気ない作業も、なかなかこなせなくなります。」

  • 様々な身体症状
  • 頭痛、腰痛、腹痛といった症状が現れます。 うつ病が原因の痛みに対しては、市販の鎮痛剤の効果は殆どありません。 そのため下痢や便秘、胃のむかつき、めまい、痺れなど様々な体の症状が起こることがあります。」

車に例えるなら、普段は毎日ガソリンがたくさん入った状態で学校や職場に行くのに、ガソリンの量がちょっとになり、さらに燃費が10倍くらい悪くなり、あちこちにガタがきている状態です。 しかし、運転者(自分)はこの走らない車を自分のせいだと思い、罪悪感を抱いてしまい、最悪の場合死にたいと思ってしまうのです

うつ病の原因・引き起こすきっかけ

「うつ病は、「気の持ちよう」や「心の弱さ」から起こるのではありません。」脳内の神経伝達物質の減少によって引き起こされると言われています。」

「私達の脳の中では約1,000億個あるといわれる神経細胞が、複雑なネットワークを作って情報をやり取りしています。 この情報伝達を仲介するのが情報伝達物質です。」 「しかし、何らかの理由でこの情報伝達物質の行き来する量が減ると、思考や感情が鈍くなるのです。これが、うつ病への引き金になるというのが現在の標準的な考え方です。」

つまり、うつ病とは、脳のエネルギーが枯れてしまう機能的な病気なのです。

ここまで読んで頂ければ、車に例えて考えるとわかりやすいことがわかって頂けると思います。 うつ病は自分のハンドルテクニックというよりは、車の燃料タンクとエンジンの故障なんです。 燃料がうまくエンジンにまわらず、燃費が急激に悪くなり、今まで普通に走れていた坂道を登りきることができなくなると考えて頂ければいいと思います

うつ病は気持ちの弱さからなるものではないとは言えど、なりやすいタイプはあるようです。特に

  • 真面目で几帳面、完璧主義
  • 責任感が強い
  • 物を頼まれると嫌とは言えない

ような人はうつ病になりやすいようです。また、環境の変化によって引き起こされることも多く、例えば

  • 失業や退職、出向、転勤
  • 別居、離婚、家庭内のトラブル
  • 結婚、出産

などはストレスが多くかかり、うつ病を引き起こす引き金にないやすいようです

悪いことばかりではなく、一般的に良いと思われていることでもうつ病になることがあるので注意が必要です。

うつ病の分類

うつ病は感情と意欲の起伏に障害が起こることから、気分障害の一つに分類されています。

気分障害はうつ病性障害と、躁病とうつ病の症状を併せ持つ双極性障害に分かれます。 さらに、うつ病性障害は、大うつ病性障害、気分変調性障害に分類されます。

このうち、最も多いのが大うつ病性障害と言われています。 「大」といっても軽症より症状が重いというだけのことで、一般にうつ病と呼ばれている症状が当てはまります。

気分変調性障害は軽症のうつ病で、軽い抑うつ気分が2年以上続くものです。 「だるい」「よく眠れない」など体の不調を感じていても、仕事を続けることはできるので、周りからはわかりづらい症状です。

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うつ病を治す方法について

うつ病の治療について

「他の病気と同様に、うつ病は早期発見と適切な治療を受ければ治る病気です。 医療機関でうつ病と診断されたら、治療の基本となるのは十分な休養と抗鬱剤の服用焦らずじっくりと治療すれば一般的に6ヶ月から1年程で回復していきます。」

うつ病は心の風邪と言われはするものの、回復するまでには時間がかかります。 焦れば焦るほど回復が遅れますので、医療機関(心療内科及び精神科)に通いながら服薬を続け、可能であれば仕事を休職し、趣味などに時間をかけてじっくりゆっくり治していくというのが治療の基本です

以下にもう少し具体的に【しっかり休養すること】【抗うつ薬の服用】【その他の治療法】について紹介していきます。

うつ病の治療法① しっかり休養する

「抱えている仕事や家事などを忘れて、疲れた心と体を十分に休めてあげましょう。 うつ病の人はもともと真面目で責任感が強いタイプが多いので、「仕事を休むことなんてできない」「他の人に迷惑がかかる」と休養することをためらったり、拒んだりしがちです。 しかし、中途半端な休養しか取らないと症状は軽減されず、かえって悪化してしまいます。 思い切って休職するなど、治療に専念する環境を作ることも必要でしょう。」

上記にも書いた通り、社会人であればできれば休職することが先決です。 中途半端に仕事を続けた方が、急に休んでしまったりミスが多くなったりして、余計に周囲に迷惑をかけます。 仕事をしばらく休むことは、新しく仕事を始めること以上に勇気と決断力が必要ですが、今後の人生を考えれば、うつ病と診断されたらすぐにでも仕事を休んだ方が良いと思います。 もちろん仕事の内容によっては物理的に休めないという方もいらっしゃるかとは思いますが、「ドクターストップかかかっている」と説明すれば周囲も理解してくれるはずです。 理解してもらえなければ、医師に診断書を書いてもらうなど、工夫してでもゆっくりと休める環境を作ることは不可欠です。

尚、主婦の方であれば、極力家事や育児はご主人など他の誰かに代わってもらうようにする方が望ましいです。 一人暮らしの方は、家事はできるだけ調子のいい時に、できる範囲でやりましょう。 しばらくはレトルトや冷凍食品に頼ってもいいと思います。 僕は、身体的にも金銭的にもしんどい時には、うどん・そば・素麺をローテーションしたり、リンゴやバナナ、卵かけご飯をよく食べてました。

しかし、いざ休職しても、“休むという仕事をする”ことは意外に難しいものです。 テレビを見てもベッドで横になっていても、仕事のことが気にかかったりして休めなかったりします。 なので、趣味に時間を費やし、仕事のことを忘れることが大事になってきます。 特に体を動かすような趣味は効果的だそうです。 僕の趣味の中で、体を動かす趣味といえば散歩くらいしかありませんが。 今の趣味は、プロフィールに書いておりますが、うつで休職していた頃は、このサイトの前身となるホームページ作りや、カメラ片手に動物を撮影する、メダカを飼うといったことをしてましたよ

うつ病の治療法② 抗うつ薬の服用

「抗うつ薬は、脳内神経伝達物質のバランスの乱れを正常に近い状態に戻してくれます。 1950年代に三環系抗うつ薬が登場して以来、研究が重ねられ、現在では副作用が少ないSSRIやSNRIというタイプが主流です。 抗うつ薬はうつ病の症状を改善するための薬です。 「性格が変わってしまうのでは」「依存症になってしまうのでは」などと心配する人がいますが、そのようなことはありません。」

「三環系は脳内の神経伝達物質のバランスを整えることを目的として最初に開発された抗うつ薬です。 うつ病とは関係のない脳内の部位にも作用してしまうため、薬の副作用が比較的現れやすいと言われています。 三環系に続いて開発されたのが四環系で、ある程度の副作用は抑えられました。」 主な副作用は口の渇き、便秘、排尿困難、眠気などです。 抗うつ薬の詳細については、用語集の抗うつ薬や、精神科医及び薬剤師さんの意見を参照してください。

上記には現在はSSRIやSNRIが主流だと書きましたが、当然副作用もあり(悪心、嘔吐など)、特効薬ではないようです。 僕は発症当初は三環系の抗うつ薬を処方されていました。頭痛とめまいも多少ありましたが、便秘があまりに酷く、それ以来ずっと、現在に至るまで下剤を出してもらっています。 うつ病と診断されたら、かかりつけの医師とよく相談し、薬の微調整を行っていきながら、自分に合った薬を探し出していきましょう。

うつ病の治療法③ その他の治療法

日本では主流ではありませんが、心理療法が用いられることがあります。 主な心理療法はクライエント中心療法(一般的にカウンセリングと聞いてイメージするものです)や認知行動療法と呼ばれるものです。

あとは、集団精神療法や、家族療法も行われることがあります。 集団精神療法は、自治体やNPOなどが主催している「当事者会」という名で行われていることもあります。 その場合は精神保健福祉士さんが司会をされていることが多いです

心理療法が日本で主流とならない理由はいくつかあると思われますが、その一つは日本ではまだ心理療法は医療として認められておらず、心理療法を受けた際の費用は、100%患者側の負担となるところにあります。 そのため、あまりに高額で続けられないため、現実問題として実施が難しいのです。 また、認知行動療法については、施療できる心理士が少ないということもあるでしょう。

薬物療法よりも、心理療法の方が効果的だと言う方もおられますが…。個人的にはそうでもないと思っています。 心理療法の効果を認める論文も数多くあります。 ただ、少なくとも、僕にとっては心理療法は合わないと言いますか、苦痛でした。 まだこれからも議論が進んでいくところではあると思いますが、現状日本では薬を服用しながら、しっかりと休むことが治療の基礎であると言わざるを得ません。

日本においては、企業に勤める、つまり就職ではなく就社する傾向がまだ色濃く残っていて、これが休職したくてもできない原因になっていると思っています。 言い換えれば、その企業におけるやり方のプロになることが良しとされる傾向が残っているため、辞めてしまうと他所で役に立たず、ただの素人になってしまう可能性がある、つまり「クビになったら絶望的」な社会構造になっているということです。 僕が公務員を辞めてから、資格取得に奔走したのは、言うまでもなく「就職」するためですいつでも辞めれて、いつでも就職できるようにする。つまり、手に職をつけ、その道のプロになる。これは、これからの時代の常識でもあり、うつ病治療の最大のポイントだと僕は思っています

うつ病の治療における大切なポイント

  • 服薬は医師の指示通りに
  • 「自己判断で薬の量を調整したり薬の服用をやめたりすることは、回復を遅らせたり悪化させる原因になります。 また抗うつ薬は即効性のある薬ではなく、2~4週間経ってから徐々に効果が現れる薬です。 医師の指示に従って、根気強く、服薬を続けることが回復への近道なのです。」

    「うつ病は再発率の高い病気です。 これを防ぐためには治ったと思っても服薬を続けることが大切です。 “治療のための薬”から“再発しないための薬”に役割が替わるのです。 再発の場合、通常2年間は量を減らしながら、服薬を続けます。」

  • 焦らず気長に
  • 「うつ病は回復に向かって直線的に改善するわけではなく、「良くなったり悪くなったり」を繰り返しながら、徐々に良くなっていく病気です。 しっかりと治療を続けていれば回復しますので、すぐに良くならなくても、焦らずに気長に治療に取り組むことが大切です。」

  • 重大な決定は治ってから
  • 「治療中に「転職もしくは退職したい」「離婚したい」などと考えることがありますが、これは抑うつ状態がもたらすものです。 うつ状態の時に、人生における大きな転機について最良の判断や考えはできません。重要な判断は先送りにしましょう。」

  • 周囲の方が気を付けるべきこと
  • 様々ありますが、禁止事項を書きだしておこうと思います。

    ①叱咤激励 ②原因探し ③気晴らしを勧める ④環境の変化 ⑤問題の解決 ⑥干渉しすぎ

    また、有名ではありますが、「頑張って」「辛いのはあなただけじゃない」は禁句です。 自分がインフルエンザで寝込んでいる時のことを想像してみてください。 側にいてほしい気持ちはあっても、「体調管理が甘いからだ」とか、いちいち干渉されることは嫌なはずです。 うつも似たようなものであると思えば、自然に接し方が分かってくると思います。

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心療内科と精神科

うつ病になったら何科にかかれば良いのか

風邪をひいた時には内科に通うように、自分自身で「最近元気がない」「気分が落ち込んでいる」などと思ったら、楽な気持ちで専門医に見てもらうのが一番です。 うつ病も早期発見・早期治療がモットーです

結論を先に述べておくと、「元気が出ない」「会社に行こうとするとお腹が痛くなる」「最近職場や日常生活でミスが多くなった」などと思ったら、心療内科か精神科に行ってください

僕が精神科で初めて診てもらったのは、25歳の時です。 その時は、飲み会で先輩にいじられ続けたことがきっかけで飲み会が嫌になり、挙句の果てには会社に行くのが辛くなったためでした。 しかし最初は何科に行って良いのか、どこに相談してよいのかわからず、内科に行っていました。 その内科の先生が親切な先生で、話の内容を聞いて、精神症状や身体症状からして「心療内科に行ってみてはどうか」と勧めてくれました。 それが僕と心療内科・精神科との出会いです。

心理学を専攻していた僕でさえ、平成16年の時は心療内科や精神科の存在を知りませんでした。 一般の方も存じてない方が意外に多いのではないでしょうか?  そして、心療内科や精神科に対して「敷居が高い。」「どういう症状の時に行けばいいかわからないし、何となく行き辛い。」という印象を抱いてはいないでしょうか。 行ってみればわかりますが、意外に普通の方が普通に通っています。 診察を受けるというより、身近な相談所だと思えばいいのだと思います

疑問としてよく聞くのは、心療内科と精神科は何が違うのか、ということです。 専門的なことは避けますが、心療内科は心の変調が元で起きる、体の症状を主に診ます。具体的には、胃潰瘍や気管支喘息、高血圧、過敏性腸症候群などの心身症を扱います。 軽症のうつ病の治療を行うこともあります。

精神科は、心(脳)の病気を主に取り扱います。 具体的には、うつ病や統合失調症、依存症などを扱います。 神経症や不眠症、ストレス症状も含みます。 認知症の治療も行います。 また、入院措置を取ることができます。 本来、うつ病は精神科で扱うものとされていますが、その定義も境界線もはっきりしていないのが現状のようです。

結論から言えば、心療内科と精神科は、ほぼ同じと考えて良いと思います。専門的に言えば違いますが、通う立場からすれば同じです。

どのような心療内科や精神科に通えば良いのか

相談機関/参考図書のコンテンツを参照していただきたいのですが、心療内科・精神科で検索すると、沢山の病院が出てくると思います。 その中から、どの病院に通うのが良いかと言いますと、個人的には次のような病院です。

  • 自宅から45分以内(最寄駅から3駅以内)で通える
  • 薬局が病院のすぐ近くにある

これだけかと言われればそうではなく、通ってみないと分からないことではありますが、以下の点も大事だと思います。

  • 何回会っても飽きなさそうな先生であること(相性が良いこと)
  • 綺麗で清潔感がある待合室であること(広ければ尚良い)
  • 予約制で混み合っていないこと(落ち着いて待つことができる)

何故これらのことが大事かと言いますと、長く通うためです。 うつ病の患者にとって良い病院、良い医者とは

  • 障害年金や精神障害者保健福祉手帳、受給者証のための診断書を希望通り(理想通り)に書いてくれる
  • 「休職制度や社会福祉制度は、必要な人に与えられるものだ」などと堅苦しいことを考えず「利用できるものは利用すれば良い」くらいに考えてくれる

これに尽きます。 何なら、患者側も、「病院は生活を支える手助けをしてくれるところ」くらいに考え、上手に利用することが大切になります。 そのためには、信頼できる先生の元に、長く通う必要があります。

前置きが長くなりましたが、迷ったらひとまず自宅近くの心療内科及び精神科に一度足を運んでみてはいかがでしょう。 同僚や友人に知られてしまうのではないか、と思われる場合は、1駅2駅先の病院に行くか、総合病院の精神科に行かれてはいかがでしょうか。 総合病院であれば、精神科に行ったとわかる可能性は低くなるでしょう。 そこで相性が合わなければ、もう少し遠いところに…といった感じで、相性の合う先生の病院に辿り着ければラッキーです。 そこに通い詰めましょう

尚、相性が合うというのは

  • 話のしやすい雰囲気の先生であること
  • 話を聞いてくれている感じのする先生であること
  • 先生の処方した薬が自分に合っていること

であると思います。 女性の方で、女性の先生に話を聞いてもらいたい方は、女性の先生のいる病院を探した方が良いかもしれませんね。 もちろん男性にも同じことが言えます。 そういう意味では、複数の先生がいる病院の方が良いと思います

尚、心療内科へ行ったことや、精神科へ行ったことは、勤務先には伝わりません。 ただし、なるべく周囲には話した方が良いと思います。 周りのサポートが何より重要だからです。 医師には

  • どんな症状があるのか。
  • 症状が出たのはいつ頃か。また、どのくらいの期間続いているのか。
  • 身の回りで、最近大きな変化や事件が起こらなかったか。
  • 家庭や仕事でストレスになっていることはあるのか。
  • 家族との関係について
  • 症状が出てから体調面にどのような変化があったか。
  • 自分はどのような性格なのか。
  • お酒やたばこの量はどのくらいか。

を伝えましょう。 僕は以前そうしていたのですが、紙に書きだしておくと、伝え漏れもなく、医師も理解しやすいため、話がスムーズに進みますよ。 また、自分自身の今の体調や、考え方の癖(性格)が改めてわかるようになるという効果もあります

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うつ病関連用語集

  • うつ病
  • 抑うつ気分、非哀感、絶望感を生じます。 また「気が滅入る、寂しくて誰かがそばにいて欲しい」などと訴えます。 さらに「考えが浮かばない、頭の回転が鈍い、集中できない、決断力が落ちる、能率が停滞する」といった思考抑制という症状が出て、口数が少なくなり、話す速度も遅れがちになります。

    悲観的に物事を考えるようになり、「自分は能力のないだめな人間だ」という自己の能力を過小評価する訴えを生じます。

    自責感が強まり、「皆様に申し訳ないことをしてしまった、自分は罪深い人間だ」などと口にすることもあります。 多くの重いうつ病患者は「生きているのが辛いので死にたい」という自殺念慮を生じ、実際に自殺してしまうところがうつ病の恐ろしいところです。

    うつ病では活動性が低下し、精神運動抑止という症状を生じます。 仕事に行きたくない、朝新聞が読めない、テレビを見てもつまらない、好きな趣味への関心がなくなるなどの症状も出現します。 あらゆる出来事への興味、関心がなくなるのがうつ病の特徴です

    不安感、焦燥感が強くみられる人もいます。 焦燥感にかられて何かにせきたてられるように落ち着きがなく歩き回ることがあります。 このような状態では自殺の危険が高まります。

    また多くの患者が「朝方うつ症状が最も悪く、夕方になると良くなる」という日内変動症状を生じます

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 家族療法
  • 家族集団を研究と治療の単位として扱い、個人の問題を家族という脈絡の中で捉えようとします。 以前は治療の焦点はもっぱら個人にのみ当てられていましたが、こうした個人へのアプローチには限界があることから、家族集団の中でその個人を捉えなおし、そこにある対人関係のプロセスが注目されるようになりました。

    治療にあたっては、まず、現在顕在化している問題が、その家族集団の中でどのように関連して起こっているのかを見出し、それに基づいて、家族成員がどのような形で実際に治療に参加できるかを考えていきます。 その後、一般的には問題行動をもつ個人を含め治療参加者全員に、治療における目標、期待を聞いていきます。 そして家族全員で合意の得られた治療目標を定めた上で、それぞれの治療戦略に基づいて介入を行っていきます。

    参考文献:『心理学辞典』

  • 気分障害
  • 感情、気分が高揚する躁状態と、反対に抑制されるうつ状態の2つの病相があります。 躁とうつとの両方を繰り返すものを双極型(双極性障害)といい、うつだけを繰り返すものを単極型と呼びます

    参考文献:『はじめての精神医学』

    【分類】 気分障害は双極性障害とうつ病性障害(単極性うつ病)の二つに分けられます。 前者は躁(とうつの両)病相をもつものをいい、後者はうつ病相だけを示すものをいいます。 双極性障害は双極Ⅰ型障害(本格的な躁状態がみられるもの)と双極Ⅱ型障害(躁状態が軽躁状態にとどまるもの)、さらに、軽症型として気分循環性障害に区別されます。 うつ病性障害には、本格例である大うつ病性障害と、軽症型としての気分変調性障害(抑うつ神経症に相当)があります。 さらに、その他の気分障害として、身体疾患に伴う気分障害、薬物による気分障害があります。

    参考文献:『心理学辞典』

    【頻度】 昔はそれほど多くはないといわれていました。 しかし、最近の調査では双極型が1%程度、単極型は16%(6人に1人)との数字があります。 つまり、うつ病はだれにでもかかりりうる普通の病気といえます。 またうつ病には性差があり、女性の方が男性よりも約2倍うつ病にかかりやすいとされています。 この理由は明確ではありませんが、内分泌的な影響や、女性特有のライフイベント(出産、閉経など)の影響などが考えられています。

    【原因】 遺伝的素質と環境要因の複合です。 抗うつ薬の作用機序が脳内のノルアドレナリンあるいはセロトニンのシナプス前部神経終末への再取込みを阻害して、これらモノアミン(ノルアドレナリンあるいはセロトニン)の神経伝達を増やす方向に作用していることから、脳内のモノアミン系の異常が気分障害の原因であるとの説が有力です

    【誘因】 様々なストレスが挙げられます。 最近は成果主義が一般的となり、そのため特に民間企業では職場の過剰勤務がストレスとなり、その結果としてうつ病を発症する人たちが多く出現しています。 また種々の喪失体験(肉親の死亡、事業の失敗など)が原因となることがあります。 喪失体験以外の誘因としては、生活の大きな変化、責任の急増(昇進、出産など)、慣れた環境から新規の環境への移転(引っ越しなど)などもうつ病を誘発するきっかけになることがあります。

    うつ病になりやすい性格として、普通以上に几帳面で生真面目なことがあげられます。 このような人たちは与えられたルーチンの仕事は確実にこなしていけますが、地位が上がったり、赤ちゃんができたりして今までの秩序がくずれ負担が増えると、その責任の重さに耐えられず、うつ病を発症してしまうと思われます。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 気分安定薬
  • 躁効果とともに躁うつ病(双極性障害)の病相再発予防効果があります。 炭酸リチウム(商品名リーマス)、カルバマゼピン(商品名テグレトール)、バルプロサン(商品名デパケン)の3種類が使用されます。

    炭酸リチウムはかなり有毒な物質であり、血中濃度が上がりすぎると中毒を起こして死亡することがあります。 しかも、治療濃度と中毒濃度が接近しているので、絶えず血中濃度を測定しながら使用する必要があります。 また炭酸リチウムは腎臓病、心臓病など重い身体の病気をもった人や妊婦には使用できません。

    通常、躁状態には気分安定薬と共に抗精神病薬を併用して早く鎮静させることを行います。 また双極性障害のうつ状態に抗うつ薬のみを使用すると躁転を生じやすいので、その場合には気分安定薬と抗うつ薬を併用して用いることが行われます。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 気分変調性障害
  • ほとんど一日中の慢性的抑うつ気分が、少なくとも2年間持続します。 抑うつ気分の期間中、食欲減退または過食、不眠または過眠、気力低下または疲労、自尊心の低下、集中力の低下または決断困難、絶望感などの症状が見られます。 この障害の2年の期間中に、症状のない期間が2ヶ月より長く続くことはありません。

    参考文献:『心理学辞典』

  • クライエント中心療法
  • ロジャーズ(Rogrers, C. R.)により創始された心理療法で、その初期(1940年代)には非指示的精神療法と呼ばれていました。 それは、それまでの伝統的な指示的療法や解釈的な精神分析に対して、「指示を与えない」という特徴が強調されたことによります。 1951年には自らの立場をクライエント(来談者)中心療法と名づけました。 問題は何か、どう解決したら良いかについて、最も良く知っているのは、クライエント自身である。 従ってセラピストはクライエントに何かを教える必要はない。 クライエントの体験に心を寄せて、その体験を尊重することが重要である。 このような「クライエント中心」の態度によって、クライエントは本来の力を十分に発揮し問題を解決していく、と考えました。

    ロジャーズはセラピストの態度条件として、①共感的理解、②無条件の肯定的配慮、③真実性(役割行動や防衛的態度を取らず、自身の感情とその表現が一致していること)を挙げています。

    参考文献:『心理学辞典』

  • 抗うつ薬
  • 抑うつ気分を正常化し、うつ病の気分変調を改善します。 昔から用いられている三環系抗うつ薬は今でも使用される優れた抗うつ薬ですが、副作用も生じやすい薬物です。 これらの系統の薬剤は強いアセチルコリン受容体遮断作用(抗コリン作用)をもっています。 自律神経系の副交感神経の伝達物質はアセチルコリンですので、抗コリン作用のある薬物は副交感神経系の機能を抑制し、唾液分泌抑制の結果としての口渇、消化管運動抑制の結果としての便秘、排尿抑制としての尿閉などを生じます。

    最近は選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)などの、副作用の少ない新しい抗うつ薬が開発され使用頻度が増えています。 SSRIとSNRIは抗コリン効果や心毒性などがなく、副作用は少ないことが知られています。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 抗不安薬
  • 「マイナー・トランキライザー、穏和精神安定剤」とも呼びます。 神経症や心身症患者の不安、緊張を緩和するのが主な目的です。 さらに、てんかん、アルコール依存の離脱症状、統合失調症やうつ病に伴う不安・焦燥・興奮、不眠症状にも使用されます。

    副作用として、眠気、ふらつきを生じることがあります。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 社会不安
  • 対人関係状況への恐怖であり、日本では以前から対人恐怖として記載されてきました。 社会不安障害ということもあります。 人々の注目を浴びるのが怖い、初対面の人や偉い人の相手をするのが苦手、人前で話したり、食事をしたり、字を書いたりするのが苦手といった症状が出現します。 人の視線が気になる、あるいは自分の視線がきつすぎて人に迷惑をかけているような気がするなどの症状が出ることもあります。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 集団精神療法
  • 治療的に組織された集団の中で、治療者とメンバー、またはメンバーとメンバーの間の対人交流や、集団の持つ力によって、参加メンバーそれぞれの人格や行動の改善を目指すものです。 個人精神療法に比較して、対人関係の障害が主な標的となる点と、過去の対人関係の歪みよりも、集団のその場で起こっていることが重視される点が特徴です。 治療理論や技法の違いによって、精神分析的集団療法、話し合いによる小集団および大集団精神療法、アクティビティ・グループと呼ばれる心理劇(サイコドラマ)やダンス療法、音楽や絵画などの芸術療法、ゲシュタルト療法、社会的スキル訓練などがあります。

    参考文献:『心理学辞典』

  • 心身症
  • はっきりとした身体の病気があり、その病気の原因や経過に心理的要因が重要な役割をもつものを心身症といいます。 心理的ストレスがその発症や経過に影響する身体疾患を指します。

    主な心身症には次のような病気があります。 気管支喘息、本態性高血圧症、消化性潰瘍、過敏性腸症候群(ストレスによって下痢、便秘を繰り返すような人)、慢性蕁麻疹、円形脱毛症、インポテンス、頭痛、口内炎、メニエール症候群(耳鼻科的なめまいを主症状とするもの)などです。

    心身症患者は内的感情を抑えて過剰適応の傾向があるので、自然な形での緊張の発散が行われず、それが慢性ストレスとなって心身症を引き起こすと考えられます。

    さらにA型行動様式という虚血性心疾患に羅漢しやすい性格も有名です。 虚血性心疾患とは、心筋を栄養としている動脈に動脈硬化が起こり、血液の流れが悪くなって狭心症や心筋梗塞を起こす病気です。 A型行動様式の人は野心的、競争的、攻撃的、せっかちで仕事熱心といった面をもっています。 このような人は現実にも成功することが多いのですが、半面、絶えず緊張にさらされ、強い交感神経緊張が続き、そのために高血圧、ひいては動脈硬化を発症しやすいという傾向があるのです。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • 自分自身や他人の死や、重篤な傷害に至る恐れのある事件を経験するといった外傷体験によって発症し、激しい恐怖感や無力感などを症状に含む不安障害の一つです。 具体的には、戦争、地震、津波、火災、交通事故などを経験したり、テロ、強盗殺人、レイプなどの犠牲者になるといったことをきっかけとして発症します。

    病像としては、①悪夢やフラッシュバックによって外傷的出来事を繰り返し再体験する、②外傷的出来事と関連した刺激を持続的に回避しようとするか反応性の鈍麻を示す、さらには感情が萎縮し極度のうつ状態をきたしたり未来に対して展望を持つことができなくなる、③睡眠障害、易怒性、集中困難、極度の警戒心、驚愕反応・生理的反応など、覚醒の持続的な亢進を示す症状が認められる、の三つが中心となっています。 これらの症状は非常に耐えがたい苦痛を伴うため、日常生活は破壊され、対人恐怖、性的困難、離婚、失職、アルコール依存、自殺など更なる障害や不都合をきたすことも珍しくありません。

    恐怖感などの反応は4週間以内に起こり、最低2日間、最大で4週間持続します。 それ以上続く場合に、心的外傷後ストレス障害と診断されます。

    参考文献:『心理学辞典』

  • 睡眠薬
  • 睡眠の導入を促す薬です。 昔はバルビツール酸系睡眠薬が使用されましたが、薬物依存を生じやすく、また呼吸抑制の副作用を生じやすい欠点があり、使用しにくい薬でした。 最近はもっぱら、ベンゾジアゼピン系薬剤が睡眠薬としても使用されています。 ベンゾジアゼピン系薬剤は昔の睡眠薬よりも副作用は目立ちません。

    ベンゾジアゼピン系睡眠薬は作用時間により分類されます。 超短・短時間型(トリアゾラムなど)は服用後の血中濃度持続時間が短く、入眠障害(寝つきの悪いこと)のある人に用いられます。 副作用として、時に健忘を生じることがあります。 また睡眠薬服用を止めた後、かえって不眠が強くなってしまうことがあります。 中・長時間型(ニトラゼパムなど)は血中濃度持続時間が長く、熟眠障害(途中で目覚めてしまうこと)や早朝覚醒のある人に用いられます。 副作用として、翌日の倦怠感、ふらつき、眠気などがみられます。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 躁病
  • 躁状態では気分は爽快となり、態度は無遠慮になります。 また、思考の進みが早く、多弁になります。 話の筋が脱線しやすい観念奔逸という症状を出します。 注意散漫となり、注意が集中せず別の事柄に気持ちがそれやすくもなります。

    活動性が亢進し、多動となり、人を訪問したり、おせっかいをやいたりします。 一方、身体的には睡眠時間は短縮し、性的関心は高まります。 行動過多であっても疲れを感じません

    参考文献;『はじめての精神医学』

  • 適応障害
  • 生活上での事件(退職、職場環境の変化、離婚、失恋、解雇など)が心理的ストレスとなって生じる不適切な反応です。 軽度のストレスは日常誰にも起こりうるものですし、大多数の人は一時的に落ち込むようなことがあっても立ち直るのですが、精神的に脆弱性のある人には障害を生じることがあります。 軽度の不安、抑うつ、心配などの精神面での症状が主です。

    参考文献:『はじめての精神医学』

  • 認知行動療法
  • ベック(Beck, A. T.)により始められた、認知の歪みに焦点を当てることによってうつ病やパニック障害など精神疾患の治療を行うものです。 ベックは、うつ病患者が、自己、世界、将来について悲観的に考えていることを見出し、こうした思考の様式が、うつ病患者に特徴的な「認知の歪み」によってもたらされると考えました。 うつ病患者が自ら日常生活を観察し、感情・思考のパターンに気付き、変化のきっかけを作り、再び問題に出会った時に自ら解決できるようにすることが認知行動療法の流れです。 つまり認知行動療法は援助であると同時に、教育・訓練でもあり、自己援助法の習得を目指しているとも言えます。

    参考文献:『心理学辞典』『よくわかる臨床心理学』

  • 箱庭療法
  • ローエンフェルド(Lowenfeld, M.)の世界技法を、カルフ(Kalff, D.)がユング(Jung, C. G.)の理論をベースに発展させた心理療法です。 砂の入った木箱と様々なミニチュアが用意され、クライエントは砂の上に自由にミニチュアを並べ、また砂で山を作るなどのイメージ表現を行います。 日本には河合隼雄が1965年に紹介し、以後大きな発展をみました。 遊び的な要素と構成的な要素があるので、子どもにも大人にも適用されます。

    参考文献:『心理学辞典』

  • 不安障害
  • かつては神経症(ノイローゼ)と言われていた病気の延長上にある概念です。 DSM-Ⅳでは、従来の神経症は病型によって四つ(不安障害・身体表現性障害・解離性障害・気分障害)に分類し直されています。 不安障害は、パニック障害、全般性不安障害、恐怖症性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、外傷後ストレス障害に分類されます。

    不安とは、恐怖、身体的不快、身体的症状の主観的な情動です。 通常ストレスによる正常な反応で、適切なレベルであれば有益であると言われています。

    参考文献:『よくわかる臨床心理学』

  • パニック障害
  • 突然起こってくる種々の身体症状に強烈な不安、恐怖の感情を伴う恐慌発作を繰り返し起こす不安障害の一つです。 身体症状としては、息切れや呼吸困難、動機、胸部不快感、発汗、めまい、立ちくらみ、吐き気、震え、寒気など多彩なものが含まれますが、呼吸器系、心血管系の症状が前面に現れることが多く、患者はしばしば心臓発作や脳卒中が起こったのではないか、死んでしまうのではないかと思い込みます何度か発作を経験すると、また同じようなことが起こるのではないかという予期不安を絶えず抱くようになります。 さらには、家から遠く離れた場所、人混み、乗り物の中など、発作が起こったときに逃げられないか助けが得られないような場所に行くことを回避する空間恐怖を伴うようになる例も多いです。

    参考文献:『心理学辞典』